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比較・検討 2026.03.30

光回線を2本引く vs LTEバックアップ
——どちらが現実的か?

光回線が突然止まったとき、多くの店舗オーナーがまず思いつくのは「もう1本引けばいいのでは」という方法か、「スマホのテザリングで何とかなるのでは」という対応です。 しかし実際に検討すると、どちらにも見えにくい課題があります。 本記事では「光回線2本」「テザリング」「LTEバックアップ」の3つを比較し、小規模店舗・拠点にとって現実的な選択肢を整理します。

回線が止まったとき、まず思いつく3つの対応

光回線が止まったとき、多くの店舗で実際に取られる対応は大きく3つに分かれます。

① 光回線をもう1本引く

「回線を2本にすれば片方が止まってももう片方が使える」という発想です。確かに理屈は通っていますが、工事費・月額費用が2回線分かかるうえ、後述するように自動切替には別途対応機器が必要になります。

② スマホのテザリングで代替する

やり方を知っている従業員がその場にいれば機能しますが、繁忙時間帯・夜間・無人店舗では対応できません。また従業員個人のスマホを使う場合は通信量の問題もあり、決済端末やPOSレジをテザリングで繋ぎ直す手間も発生します。障害が起きるたびに人手が必要になる点が課題です。

よくある現場の状況
  • テザリングの設定方法がわからないスタッフが対応することになる
  • 決済端末やPOSレジをテザリングに繋ぎ直す作業に時間がかかる
  • 復旧まで30分〜1時間かかるケースがある
  • 繁忙時間帯に障害が起きると、この対応自体が難しい

③ LTEバックアップ回線を追加する

既存の光回線にLTE対応の機器を追加し、光回線の障害を自動で検知してLTE回線に切り替える方法です。人手不要で自動対応できる点が①②との大きな違いです。本記事では①と③を中心に費用・工事・運用面を比較します。

費用・工事・運用の比較

テザリングは緊急の代替手段としては使えますが、恒常的なバックアップとしては運用に無理があります。以下では①光回線2本と③LTEバックアップを具体的に比較します。

光回線 2本
固定回線を2系統確保
初期費用高(工事費2回分)
月額費用高(2回線分)
工事必要(2回)
通信速度高速
導入期間数週間〜
LTEバックアップ
光回線断時にLTEへ自動切替
初期費用低〜中
月額費用低〜中
工事不要〜簡易
通信速度中程度
導入期間短期間

項目別に詳しく見る

比較項目 光回線 2本 LTEバックアップ
初期費用 回線工事費が2回分かかります。プロバイダ契約・機器購入も2系統分必要になるケースがあります。 フェイルオーバー対応機器の購入費用のみ。工事不要のケースが多く、初期コストを抑えやすいです。
月額費用 光回線の月額×2が基本です。プロバイダ費用も含めると月1〜3万円以上になるケースがあります。 SIMの月額費用のみ。バックアップ用途では通信量が少ないため、低コストに抑えやすいです。
工事・設置 建物への引き込み工事が2回必要です。管理組合・オーナーの許可が必要なケースもあります。 既存のネットワークにフェイルオーバー機器を追加するだけです。大きな工事は不要です。
切替方式 注意 基本的には手動での切替(ケーブル差し替えや設定変更)が必要です。自動切替を実現するにはフェイルオーバー対応の別途ルーターが必要で、機器コストが追加になります。IT担当者がいない拠点では復旧まで時間がかかるケースがあります。 強み フェイルオーバーが標準機能として組み込まれており、障害を自動検知してLTEへ切り替えます。切替時に数秒〜1分程度のダウンタイムが発生するケースがありますが、手動対応は不要です。
障害の独立性 注意 同じ建物・区間に引き込む場合、同一の物理障害で2本同時に止まるリスクがあります。 強み 光回線とLTEは物理的に異なる経路のため、光回線の障害でもLTEは影響を受けません。
通信速度 光回線のため高速です。大容量データ通信や映像配信にも対応できます。 LTEのため光回線より低速です。ただし決済・POS・クラウド業務ツール程度であれば問題ありません。
導入のしやすさ 工事・契約手続きに時間がかかります。建物の構造によっては引き込めないケースもあります。 機器を設置してSIMを挿すだけです。IT担当者がいない拠点でも導入しやすいです。

光回線2本が向いているケース

光回線を2本引く方法は、高い信頼性が求められる用途に向いています。ただし費用・工事の負担が大きいため、それに見合う規模・用途かどうかを判断する必要があります。

光回線2本が現実的なケース
  • 大容量データ通信・映像配信が常時必要な用途
  • 中〜大規模のオフィスや複数フロアの拠点
  • 通信コストより信頼性を最優先できる予算がある場合
  • 異なる通信事業者・引き込み経路を確保できる場合
注意①:同じ建物に同じ通信事業者の光回線を2本引いても、局舎〜建物間の区間が共通であれば、その区間の障害で2本同時に止まる可能性があります。冗長化の効果を高めるには、異なる事業者・異なる引き込み経路を確保することが重要です。
注意②:光回線を2本引いただけでは、障害時の自動切替は行われません。手動でのケーブル差し替えや設定変更が必要になります。自動切替を実現するには、フェイルオーバー対応のルーターを別途用意する必要があります。

LTEバックアップが向いているケース

LTEバックアップは、小規模店舗・拠点での現実的な選択肢として広がっています。常時高速通信が必要なわけではなく、「障害時に業務が止まらなければいい」という用途に適しています。

LTEバックアップが現実的なケース
  • 飲食店・小売店・クリニックなど小規模拠点
  • キャッシュレス決済・POSレジ・予約システムの継続稼働が目的
  • IT担当者が常駐していない拠点
  • コストを抑えつつ回線断のリスクに備えたい場合
  • 工事なしで短期間に導入したい場合

どちらを選ぶかの判断基準

光回線2本を検討する場合
  • 常時大容量通信が必要
  • 瞬断ゼロを求める用途
  • 中〜大規模の拠点
  • コストより信頼性優先
LTEバックアップを検討する場合
  • 決済・POS継続が目的
  • 小規模店舗・単独拠点
  • 工事なしで早期導入したい
  • コストを抑えて備えたい

多くの小規模店舗・拠点において、光回線2本のコスト・工事負担はハードルが高く、現実的でないケースが多いです。テザリングは「いざとなれば」の手段としては有効ですが、自動化できない・人手が必要という点で恒常的なバックアップには向きません。LTEバックアップは「完全な無停止」は保証できないものの、1〜2時間の業務停止と比べれば数秒〜1分のダウンタイムは許容できる範囲であることがほとんどです。

クラウドスケッターについて クラウドスケッターは、小規模店舗・拠点向けに設計されたLTEフェイルオーバーサービスです。光回線の障害を自動で検知し、SIM回線へ切り替えることで通信を継続します。設置工事は不要で、IT担当者がいない拠点でも導入・運用できます。光回線2本を引くコストと比べて、現実的なコストで回線冗長化を実現できます。

回線冗長化の構成について、まずは相談してみませんか?

クラウドスケッターは自動切替に特化したLTEフェイルオーバーサービスです。
費用感・導入構成など、お気軽にご相談ください。

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この記事のまとめ

  • 光回線が止まったときの対応として「光回線2本」「テザリング」「LTEバックアップ」の3つが考えられる
  • テザリングは緊急時の代替としては有効だが、自動化できず人手が必要なため恒常的なバックアップには向かない
  • 光回線2本は高信頼性だが、コスト・工事・導入期間の負担が大きく、小規模拠点には現実的でないケースが多い
  • 同一区間に引き込む場合、2本同時に止まるリスクがある点も考慮が必要
  • LTEバックアップは数秒〜1分程度のダウンタイムが発生するが、業務停止と比べれば許容できる範囲であることがほとんど
  • 光回線とLTEは物理的に異なる経路のため、障害の独立性が高い点がLTEバックアップの強み
  • 小規模店舗・拠点でキャッシュレス決済・POSの継続稼働が目的であれば、LTEバックアップが現実的な選択肢